レストランにおけるコーヒーの立ち位置について

過去にレストランで働いたり、外食でレストランに行った時に毎度思うことがあります。
「なんでこんなにコーヒーが美味しくないんだろう」と。せっかく美味しい料理に、気持ち良いサービスで心も胃も満たされたのに、最後に残念な気持ちにならなきゃいけないのか。いつからか、お店に置いてあるコーヒーマシンや近くのテーブルに提供されているコーヒーをチラッと見て「あ、これは注文するのはやめよう。別の店でデザートとコーヒーを楽しもう」というマインドになりました。

実際にレストランで働いている時にはコーヒー豆の選定などを任せていただいていたので、コーヒーの味に自信もあった為ホールのスタッフには必ず「食後に必ずデザートとコーヒーをお伺いして、少しでも単価を上げよう」と共有して実際に食後まで満足してお帰りいただくことが多かったと思います。
そこのレストラン経営者さん、店長さん、ドリンク担当さん、本当に勿体無いですよ。その1杯、1品の積み重ねが大事な売上になりますからね。

なぜ急にこんなことを書くかと言いますと、最近弊社のコーヒー豆を焙煎してくださっている藤池氏とお話して「なぜレストランはコーヒーに力を入れないのか」と言うなかなか答えの出ない議論をしていました笑
「原価率がね…」とか「料理よりコーヒーの印象が勝っちゃうとね…」とか色々話してましたが、帰り道に1人で改めて考えてみた時に「『食後にコーヒー』って意外とまだ文化として日本には根付いてないのか?!」と根本の疑問が浮かんできました。ですので、今回は食後にコーヒーを是非楽しんでほしいバリスタ(特にレストランバリスタ)目線で語っていきたいと思います。

食後にコーヒーを飲むことのメリット

食後にコーヒーを飲むことには、さまざまなメリットがあります。食事の後にコーヒーを楽しむ習慣は多くの文化で根付いており、その理由には以下のような効果が関係しています。

1. 消化を助ける

コーヒーに含まれるカフェインは、胃腸の活動を刺激し、消化を促進する効果があります。これにより、食後の胃もたれや消化不良を軽減することができます。また、カフェインは腸の動きを活性化させ、消化管の働きをサポートします。

2. リラックス効果と満足感

食後にコーヒーを飲むと、リラックスした気分になることが多いです。特に食事が終わった後の時間は、ゆったりとくつろぐための時間として重要です。食後のコーヒーは、このリラックスした時間をさらに豊かにするための一つのアイテムとなり、満足感を高めます。

3. 眠気を防ぐ

食事を摂ると、体は消化にエネルギーを使うため、眠気を感じやすくなります。特にランチやディナー後、仕事や予定がある場合には、この眠気が問題となることがあります。コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用があり、眠気を抑える助けとなります。

4. 抗酸化作用

コーヒーは強力な抗酸化物質を含んでおり、体内の活性酸素を中和する働きがあります。抗酸化物質は、細胞の老化を防ぎ、健康を維持するために重要な役割を果たします。食事後にコーヒーを飲むことで、体内の抗酸化レベルを高め、細胞のダメージを抑えることができるのです。

5. 血糖値の上昇を抑える

いくつかの研究では、食後にコーヒーを飲むことで、血糖値の上昇を抑える効果があることが示されています。コーヒーに含まれる成分が、インスリン感受性を改善し、糖の吸収を遅らせる働きをするためです。これは、特に糖尿病予防や管理に役立つと考えられています。

6. 食後の爽快感を得られる

コーヒーの苦味や香りは、食事後の口内をすっきりさせ、爽快感をもたらします。特に、脂っこい食事や重たいデザートの後には、口の中をリフレッシュする効果が期待できます。ミントやチョコレートを添えた食後のコーヒーは、こうした効果をさらに高める人気の組み合わせです。

7. 社交の時間を豊かにする

食後のコーヒーは、食事の締めくくりとして社交的な時間を楽しむためのアイテムとしても重要です。特に家族や友人との食事では、食後のコーヒーを囲んでリラックスしながら会話を続けることが、より深い交流を促すことが多いです。

8. 長寿効果

いくつかの研究では、コーヒーを飲むことが長寿に関連していることが示されています。適量のコーヒー摂取が心臓病やいくつかの癌、神経変性疾患のリスクを下げる可能性があるとされています。これには、カフェインや抗酸化物質が関与していると考えられています。

※注意点

もちろん、コーヒーの飲みすぎには注意が必要です。カフェインの過剰摂取は、心拍数の増加や不眠症、胃の不快感を引き起こすことがあります。特に夜遅い時間にコーヒーを飲むと、睡眠に悪影響を与えることがあるため、量とタイミングには気をつける必要があります。

結論

食後にコーヒーを飲むことは、消化を助けたり、リラックス効果や眠気防止、抗酸化作用など、さまざまな健康効果があります。食事の後の一杯のコーヒーは、ただの習慣以上に、体にとっても良い影響を与える可能性が高いです。適量を楽しむことで、食後の時間をさらに豊かに過ごすことができるでしょう。

…いかがでしたでしょうか?
「食後のコーヒーはこんなに良いことばっかりなんですよ!」と言いたい訳ではなく、カフェインが苦手な方は紅茶でも良いと思いますので、食事をゆっくり楽しむ習慣が根付いてくれたら嬉しいな、と飲食業に携わる人間として伝えて行きたいと思って書きました。

次回は、なぜレストランでは「(あまり)コーヒーに力を入れずに、そんなに美味しくないものが出てくることが多いのか」について書いて行きたいと思います。

それでは、また。

Gracias!

RT Stageではコーヒーを味わうためのデザート通販 RT Stage + Kitchenを展開しています。その他にも、出張バリスタ(ラテアート教室)出張シェフ(ケータリング)企業様向けサービス(コンサル、技術指導等)も精力的に承っております。アパレルブランドMULTIFACEも展開中です!お気軽にお問い合わせください。